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2017/05/26

元営業マンが新規就農で華麗なる転身。誰でも楽しくできる新時代の農業をつくる!

「ごくとま」わそう農園 宮崎和弘さん



世界初の先進技術「特殊フィルム栽培」を成功により誕生した、一般的なトマトの糖度の2倍、果物にも匹敵する甘さと旨味を凝縮させた絶品トマト「ごくとま」。宮崎県都農町の新しい特産品として人気を博しています。

全国の百貨店やふるさと納税で人気が爆発し、高級寝台列車「ななつ星」へ食材として提供されたり、日本テレビ「鉄腕ダッシュ」で特集企画が組まれるなど、その勢いは留まるところを知りません。

そんな「ごくとま」の産みの親、トマト農家の宮崎和弘さん。実はトマトが大嫌いなサラリーマンでした。奥様の実家がある都農町にIターンし、新規就農。自身を何よりの実験台として「トマト嫌いでも食べられるトマト」を作り出し、大成功を収めた姿はまさに「宮崎ドリーム」と言えます。

都農町に縁もゆかりもなかった宮崎さんが、今都農のために尽力する理由はたった一つ。「都農の人のため」なんだとか。その心のうちに迫りました。


トマト嫌いだから分かる本物のトマトの美味しさ


▲世界最先端技術の特殊フィルム。「アイメック農法」で普通の栽培方法では出せない旨味を引き出します

なぜ「ごくとま」は甘くて旨いのか。それには科学的な根拠があります。1000坪にわたるごくとまのハウスには、土が一切ありません。2万本の木になるトマトたちは、競うように透明のフィルムに根を這わせます。髪の毛より細いナノサイズの穴から入る溶液をとりあい、自ら甘みと栄養価を作り出すのです。

宮崎「“ごくとま”のブランドが世に出た以上、失敗は許されません。ほんの少しの水分調整や肥料のやり方の違いで味ががらりと変わるので、日々勉強です。トマトって甘いだけでは駄目なんです。僕は元々トマト嫌いなので、甘みと旨味のバランスの悪いトマトを食べると身体が受け付けない。自分自身が指標です。

トマトは何も手入れしないと荒れ狂い、ちゃんと手塩にかけて育てれば美味しくしまったものができる。子育てと同じですね。」


「農業 土使わない」のネットサーフィンがすべての始まり



宮崎さんは福岡県出身。実家の事業を手伝いながら、営業マンとして飛び回る日々でした。若い頃から独立願望が強く、起業に興味があったという宮崎さん。30歳で思い立ち、日本マクドナルドに転職して原田泳幸元社長の下で経営学を学びました。

2009年、奥様の実家である都農町に移住。義父のトマト農家を継ぐために、約2年間農業の勉強をして“土いじり”の難しさを実感しました。

宮崎「20年でようやく一人前になれると言われ“待っていられない!”と(笑)。ネットで“農業 土使わない”とネットサーフィンして特殊フィルム栽培の存在を知り、神奈川の農場に飛んでいきました。そこにあったトマトは美味しくて僕でも“食べられた”。感動して、すぐに導入を決めました。」

これは自分がずっと夢見ていた「起業」をするチャンス。特殊フィルム栽培を引っさげ、2011年に株式会社わそう農園を立ち上げました。


「起業」の感覚で新規就農



しかしそれは、夢への第一歩であるとともに、試練のはじまりでもありました。

高いコストがかかる特殊フィルム栽培はまだ国内でなじみがなく、採算を合わせるには相場の5倍の値付けが必要でした。行政からは“高いトマトなんてありえない”とはねつけられ、自身で売ってみせると説得してしぶしぶ事業許可がおりました。

宮崎「当時はフルーツトマトも普及していない時代。販路開拓が一番苦労しました。売り先探しに奔走していたら、あいつは仕事もしないで遊び回っていると散々陰口をたたかれました。

ごくとまで都農トマトのブランド力を高めてまちに貢献することができれば、よそ者の僕でも都農に来てもらってよかったと…受け入れてもらえるはず。それまでは見とけよって思うしかなかったです。」

営業マン時代のスキルを活かし、“自分の作った確かな品質”のものを自信持って売り込むことができた宮崎さん。東京の百貨店で扱ってもらえることになり、じわじわと人気に火がついていきました。


都農の仲間=ライバルとともに都農を底上げする



最初はよそ者扱いされ辛い思いもした宮崎さん。そんなときに助けてくれたのが、同じように都農で頑張る同世代の人たちでした。今、宮崎さんの原動力となっているのは、そんな仲間たちの存在だと言います。

宮崎「彼らと出会わなければ今の僕はありません。言い合いや喧嘩をしたこともあったし、彼らが何かすれば僕も負けていられない。彼らは苦楽をともにした仲間であると同時に、互いを高め合うライバルでもあります。

一人ではできないことも仲間同士で協力してやれば答えはでてくるし、真夜中に集まって試行錯誤しながら一緒に加工品を作り上げたこともありました。そこが都農の人の良さ。僕が都農を愛する理由は“人”、ただそれだけです。」


誰でも新規就農できるように農業をマニュアル化


▲世界で唯一皮と中身の色が違う「ブルートマト」。光が当たったところだけ青く染まる不思議なトマトです

宮崎さんは、そんな素敵な仲間たちとともに、都農を“世界一おもしろい農業のまち“にしたいと考えています。

宮崎「どんなに仲間を大切にしても、右に倣えの精神やよそ者に無関心なようでは未来は作れません。そういう課題をしっかり意識しつつ、異業種やほかの町とも積極的に連携をとって仕掛けていきたいです。それをいい形で下の世代につなげていきたい。

農業に関しては、僕のように全く未経験の人でも楽しみながら、将来設計もできるような農業会社づくりを行いたいです。まずは誰でもできる農業のやり方、作り方、農業経営のマニュアル化を目指しています。」

販路開拓が今後新規就農をする人すべての課題になると考え、販売支援に特化した会社も立ち上げました。宮崎さん自身が企業あがりの新規就農者だからこそできることを模索しています。


地方は誰もがチャンスをものにできる場所



宮崎さんは自身の成功体験も合まって、「農業×地方」に限りない可能性を見出しています。

宮崎「農業は誰でも新規参入できる業種です。そして地方にはチャンスがゴロゴロと転がっていて、頑張り次第で誰でも成功できる可能性を秘めています。

農業に年齢なんて関係ないので、若者に限らず退職した方なども都農で第二の人生を送ってもらいたい。僕自身、都農に来て心にゆとりができたことで、自分の時間を明確に有効に使えるようになりました。

田舎ならではの良さ、農業ならではの良さ、ゆとりある職場がここにはあるので、UIターンをどんどん増やしてみんなで新時代の農業を作っていきたいと思います。」


誰でも食べられる健康スーパーフードを世界に発信する



最後に「ごくとま」の未来についてお伺いしました。

宮崎「ごくとまが目指しているのは、万人受けして誰が食べても美味しいトマト。ごくとまを世界に発信して、都農を売り出していきたいです。フィルム栽培さえあれば、どんな場所でも同じ味のトマトが作れます。宇宙でトマトが栽培される日も近いですよ!」

宇宙でごくとまを食べる映像が流れる未来がくるかも!?その日を楽しみに、ごくとまと都農は進化し続けます。


(text:齋藤めぐみ)


プロフィール
宮崎和弘。福岡県出身。サラリーマンとして福岡、熊本、横浜と移り住み、2009年に都農町へ移住し新規就農。2011年㈱わそう農園を設立。国内でも珍し特殊フィルム栽培を駆使して、ブランドトマト「ごくとま」を作り上げる

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