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2017/06/16

地元宮崎への就職は、当時の僕にとっては消極的な選択でした

宮崎市役所 池袋耕人さん



宮崎市役所職員の池袋耕人(やすと)さん。普段は市役所の仕事に勤しむ一方、プライベートではまちづくりを支援する「ベースキャンプ」を設立し、熱い思いを持って地域活動に奔走しています。

休日を惜しまず使ってまちのイベントに片っ端から参加し、地域を盛り上げるキーマンや若者たちを支える姿はまさに「飛び出す公務員」。昨年は同じ想いをもつ仲間とともに「地域に飛び出す公務員アウォード」を受賞しました。

市役所の仕事もベースキャンプの活動も、まちをよりよくしたいという想いは同じ。ハード面(行政)とソフト面(民間)の両輪で駆け回る池袋さんを突き動かすものは何なのでしょうか。お話を伺いました。


ごみ拾いのコミュニケーションで地域課題を見つける




2015年4月、同じ市役所職員の西博之さんたちとともに「ベースキャンプ」を立ち上げた池袋さん。

毎月2回のごみ拾いや絵本の読み聞かせ、学生が“働くリアル”を学べるジョブカフェ、人生や挑戦を語る夢プレゼン大会、宮崎の食の魅力を再発見する朝ごはんプロジェクトなどさまざまな企画を実施し、行政と民間、社会人と学生など多様な人が交流する場作りを行ってきました。


▲プラネタリウムで行われた「夢プレゼン大会」。地域で活躍する人々の人生やチャレンジを学生を含む220人の観客に生々しく伝えました

ベースキャンプ発足のきっかけは、市が設置した中心市街地の空き家対策プロジェクトでした。まちに来てもらうために、まちを綺麗にすることから始めよう。プロジェクトの仲間たちと、休日の早朝に市街地でごみ拾いをスタートしました。

「あの人たちはなぜゴミ拾いをしているんだろう。」噂が人を呼び、少しずつ参加者が増えていきました。ごみ拾い中のコミュニケーションの中から、多くの地域課題やニーズを発見し、解決のためのプロジェクトへと発展させてきたのです。


▲毎月2回休日の8時からと11時から橘通りや若草通りを清掃。現在53回開催、のべ1060名参加


行政と民間、どちらも重要な役割を担っている

そんな池袋さん、ベースキャンプを立ち上げたときは「国保年金課」に所属していました。市役所の配属は概ね3年ごとに変わります。池袋さんも、市民税課、介護長寿課、財政課、国保年金課、商業労政課と渡り歩いてきました。

池袋「3年しかないからこそ全力で取り組めるし、毎回何か爪痕を残そうと考えます。色々なことが体験できるのでおもしろいですよ!市民の皆さんから税金をもらっていることに恥じないような、嘘のない仕事を心がけています。」


▲学生と社会人が一緒に“働く”を考えるジョブカフェ。高校生の視点に大人がはっとさせられることも。

一方ベースキャンプでは、思いついたことをとにかくやってみる。そのスピード感を大切にしています。ジョブカフェに参加した高校生が「全国高校生未来会議」に出席、ベースキャンプの活動をモチーフにした題材で総務大臣賞を受賞するなど、まちの未来を担う若者に確実に影響を与えています。

池袋「大人が働くリアルな姿を見せて、将来働く選択肢を多く持って欲しいと思っています。ジョブカフェや夢プレゼンに参加した高校生が、自ら講師に会いに行ったり、次は自分も登壇したいと言ってくるのがとても嬉しいです。」



行政の仕事もベースキャンプの活動も、まちをよりよくしたいという根底の想いは同じ。両者をリンクさせながら、互いの得意分野を活かして相乗効果を生み出そうとしています。

池袋「行政は仕組みを作る仕事。責任重大なので、長い時間をかけてたくさんの意思疎通と情報共有をしながら目標と計画を作っていきます。

ベースキャンプは思いついたことをとりあえずやってみる。目標も決めないし失敗もしていい。そうしてやってみたことを行政にフィードバックすることで、より真摯に市役所の仕事に向き合あえるようになりました。」


台風14号の水害で受けた衝撃



池袋さんは4人兄弟の末っ子。上の2人が宮崎を出たこともあり、消極的な選択として市役所に就職しました。

「宮崎のために」という想いは特になく、淡々と仕事をこなしていた池袋さんを変えたのは、2005年の台風14号による小松地域の水害でした。

池袋「変わり果てた風景を目の当たりにして、絶対にないと思っていることがこんな簡単に起こってしまうんだと、大きな衝撃を受けました。想定外は普通に起きるということを意識したとき、公務員として自分ができること、本当に必要なことを考えるようになりました。
 高齢者福祉サービスが本当に必要な人に行き渡るように、市内で約400名のサービス利用者さんを、関係機関と分担して、一人ずつ訪ねてヒアリングするなど、役場の中から困っている人のためにできることを、全力で取り組みました。まちのボランティアにも積極的に参加するようになりました。」


そろそろ公務員の殻が破れてもいい時代

公務員の枠を飛び越え活躍する池袋さん。そもそもそんな「枠」があること自体が課題と考え、「もうそろそろ公務員の殻が破れてもいい時代でしょう?」と言います。

池袋「ベースキャンプの活動時に、市役所職員だと言うとびっくりされるんです。公務員というだけで一括りにされがちですが、一人ひとりが違うのは当然。真剣にまちの未来を考えて動いていたり、すごく優秀でおもしろい公務員はたくさんいるので、もっと“個”に光を当てて知ってもらいたいです。

ベースキャンプの活動の中で、公務員のおもしろさと可能性を伝えていきたい。そういう意味で僕たちが全国で表彰されたのはよかったですし、僕たちのような活動をする公務員が当たり前の世の中になったらおもしろいなと思います。」


公務員=社会起業家!



そんな池袋さん、公務員の仕事は「めちゃめちゃおもしろい!」と断言します。市役所の仕事を「社会起業家」と捉え、社会の課題を事業として解決することにやりがいを見出しています。

池袋「市役所の仕事は本当におもしろいです。ルールに乗っ取ってやるだけではなく、ルールを新しく作ることができる。それが社会に大きな影響を与えるので、大きなやりがいと責任感をもって取り組んでいます。

若者には夢を持って公務員を目指して欲しいし、公務員こそ地域を変えられると信じています。」


子どもたちに選択してもらえるまちでありたい



公私に走り回る池袋さん。何よりも自身が「楽しむ」ことを大切にしています。

池袋「単純に新しいことを知りたいという“好奇心”です。自分がワクワクしないと手が出ない。そして頑張っている人を支える黒子役でもありながら、責任はきちんと自分でとる、そこを常に意識しています。」

もう一つ、池袋さんを奮い立たせるのは、愛する息子さんの存在です。

池袋「息子が大人になったとき、宮崎が嫌いだと言われたら、僕の仕事自体が否定されたことになってしまいます。今の子どもたちにとって、働く場所の選択肢の一つに入るまちでありたい。そのために頑張っています。

宮崎は障害がなくて何でも挑戦できるので、食や農業など世界に勝負できる素質を活かしながら、もっと突き抜けた感じでよその真似ではない宮崎らしいまちをつくっていきたいです。」

自分の思いに家族やメンバーたちが賛同し協力してくれるおかげで活動ができていると語る池袋さん。最近では息子さんも一緒にごみ拾いに参加しています。これから池袋さんや仲間たちがどのように宮崎を盛り上げてくれるのか、注目です!


(text:齋藤めぐみ)


プロフィール
池袋耕人:都城市出身。宮崎大学を卒業後、宮崎市役所に入庁。2015年、チャレンジするひとを支援する「宮崎ベースキャンプ」を設立。

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